毎年この時期が好きだ。あと一週間でセンター試験。国立志願者にとっては正に一世一代の勝負時である。この時期の生徒たちの開き直った澄み切った目が好きだ。数多の葛藤を潜り抜け、自分の限界への失望と可能性への希望を行き来しつつ、最後に達する或る境地。そこに至った人間は心なしか優しい眼差しをしている。人間はこうであらねばならない。いつの世も、日本人はこうであり続けてきた。‘道’を極める。それに尽きる。私はこの仕事に三十年携ってきて、いまだこの熱い一週間に武者震いが起こる。「逃げるな!追い詰めろ!そこからしか道は開けない」そして、叫びを忘れた人々よ、後生、畏るべし!