「二十数年前のさかきばら事件」という高1生惨殺事件の犯罪被害者家族のその後を追った渾身のルポ。他人によって、命を落とす人間の悲劇と同時に、残された家族の悲惨は言葉には表現出来ない。私自身、小説家としてそういった人を主題にした話を書いたので、特に他人事に思えない。とにかく読む事を勧める。事実は小説より奇なり、すべてのフィクションは現実の前では無力である。この本が世の中を変えるのかどうかは分からないが、少なくとも、被害者を救えない法律に何の存在価値があるのか考えさせられるのには良い機会にはなると思う。