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‘独学’という失われた宝

以前、倫理学についての名著を読んだ前田英樹の作品。二宮尊徳を題材にして現代日本に欠落している「独学の精神」の重要性を説いている。相変わらず個人的には非常に納得出来る。本来勉強(学問)というものは自分でやるべきものである。これは学習塾のなかった時代に生きてきた私には至極当然の事なんだが、現実にはとてもそんな必要がないと思われるの者まで時流に乗って塾に行きたがる時代である。ただ、実践的に教育に携る者として意見を言うと、二宮尊徳級の学習姿勢を持っている人間には本質的には学校などいらないし、彼を基準に現代の教育を語るのはどうも私にはあまり納得出来ない。つまり、彼のレベルで学問を捉えている人は今でもきっといるはずで、そういう人を相手にしては「教育批判」など無効であるだけでなく、何の提言も要らないという話になる。
塾で授業をしていても例えば偏差値50(全国平均)を切り出すと、集団授業では能率が一気に下がってしまう。前にいる先生の言葉を正確に自分の頭で復元出来ない。当然学習成果も上がらない。集団授業に対応できるのはある一定の学力以上の生徒だけだ、というのが現実である。「学校はどうなんだ!」とか「大手塾はどうなんだ!」という意見が出そうだが、もちろん、考えれば答えは分かるでしょう。我が塾は規模も小さいし、原則本音主義なので、はっきりぶっちゃけトークをしているだけである。
いずれにせよ、この本に書かれているような独学を旨とする人とはいつまでも出会いたいという欲求がある。手仕事の重要性、米食・農の重要性など、読んでいて最近の本には珍しく本当に「ため」になる。お勧めである。

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2009年10月03日 14:36に投稿されたエントリーのページです。

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